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主文
1 本件控訴を棄却する。2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 控訴人(1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人の請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
主文と同旨
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本人訴訟の場合、貸金業者側の反撃に遭い、後記の民法704条に基づく利息を付さない和解に追い込まれるケースが多いといわれ、また、後掲のように、取引履歴の不開示があったり、充当関係で複雑な事案であったりすると、本人訴訟で法律上正しい金額の返還を受けることは極めて困難なのが現実。
第2 事案の概要
1 本件は,被控訴人が,平成3年4月13日以降,貸金業者である控訴人との間で継続的に行った金銭の借入・返済において利息制限法所定の制限利率を超えて支払った金銭があり,これを元本に充当すると過払いが生じていると主張し,控訴人に対し,不当利得返還請求権に基づき,126万1153円及びこれに対する利得日の後(最終弁済日の翌日)である平成14年5月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求めた事案である。2 控訴人は,貸金業の規制等に関する法律(以下「法」という。)43条1項のみなし弁済の規定が適用される結果,不当利得にはならないと主張してこれを争った。
3 原審は,みなし弁済が認められるためには法17条1項所定の各要件を具備した書面の交付が必要であるところ,被控訴人に交付された書類には法17条1項が記載事項とする「返済期間」「返済回数」の記載がなく,したがって,みなし弁済の規定の適用は認められないとして,被控訴人の請求を全部認容したところ,控訴人が控訴した。
4 争いのない事実,争点,争点に関する当事者の主張は,原判決「第2 事案の概要」欄1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。
ただし,原判決2頁12行目の「争点1」を「争点」と,7頁6行目の「返済金額に応じて」を「融資金額に応じて」と,8頁17行目の「(エ)」を「エ」と改める。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,控訴人のみなし弁済に関する主張は理由がなく,被控訴人の請求は理由があるからこれを認容すべきものと判断するが,その理由は,以下のとおり原判決に付加訂正するほか,原判決「第3 争点に対する判断」欄1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。2 原判決の付加訂正
原判決9頁22行目の「被告は,」から同頁26行目末尾までを,改行のうえ次のとおり改める。
「 控訴人は,この点について本件各貸付が包括契約(返済方法については,約定最低返済額以上であれば返済額の決定を債務者の任意の決定に任せる内容となっている。)に基づく貸付であるから,「返済期間」と「返済回数」を記載することは不可能であり,上記各事項の記載がなくとも法17条1項のその余の要件を満たしていれば17条書面として認められるべきであるとしてるる主張する。
まず,法17条1項の趣旨は,貸付契約の内容,これに基づく支払の充当関係が不明確であることなどによって債務者が不利益を被ることがないようにすることにあり,返済期間,返済回数,さらには各回の返済期日及び返済金額(貸金業の規制等に関する法律施行規則13条1項)は充当関係を計算し,返済計画を立てることと密接に関係していることから記載を求められていると解されるところである。
したがって,その記載程度も各借入時において自己の債務の内容を正確に認識するために必要な事項につき,返済計画の参考としうる程度に一義的,具体的,明確なものである必要がある。
ところで,本件基本契約においては,返済方法について毎月の返済金額の最低額と最終返済期間とが定められているに止まるため,返済計画を検討するにあたっては,この最低額での返済の継続により返済期間がどの程度となるのか,最低額での返済によって最終返済期間までに返済を終えることが可能なのか否か,仮に返済を終えることができない場合に最終回に支払うべき金額は幾らとなるのか,逆に最終返済期間内に返済を終えるためには各回の返済額をどの程度としたらよいのかなどが重要な事項となるところ,債権者においてこれらの事項を明らかにすることは容易に実行可能である。
(なお,本件基本契約書14条には最終返済期間について「当事者のいずれからも何ら申し出がないときは,同一条件で5年間自動更新するものとし,その後においても同様とします」と記載されているものの将来更新されるか否かは借入時において不明であるから,自動更新されることを当然の前提とすることはできない。)
そこで,法17条1項の趣旨と本件における契約内容とを勘案すると,本件においても,各借入時において,最低額での返済を続ける(なお,最終返済期間には残額全部を返済する。)ことを前提にした返済期間,返済回数,さらには各回の返済期日及び返済金額を特定して明らかにすることによって,法17条1項の趣旨に沿った「返済期間」「返済回数」等の記載は十分可能である。
したがって,「返済期間」と「返済回数」の記載が不可能であることを前提とする控訴人の主張はいずれも採用できない。
そして,本件基本契約書と「領収書兼取引確認書」(又は残高確認書)あるいはATMが発行する「領収書兼ご利用明細」には,法17条1項所定の事由のうち「返済期間」と「返済回数」についての記載がないのであるから,本件においては法43条の適用要件の一つである17条書面の交付を欠くことは明らかである。」
第4 結論
よって,原判決は相当であって,控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。相続相談ドットコム|相続 奈良 弁護士・司法書士の検索サイト
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